近付きたいよ、もっと、、、。
「……っ、ひっく……っうう」
「咲結、どうした?」
「……っご、ごめ、……さっくんに、ぎゅってされたら、あんしん、して……っ、なみだが……っ」

 朔太郎に抱き締められた事で再び安堵した咲結の瞳から大粒の涙がポロポロと溢れ落ちていく。

 病室では、自身の体験した数々よりも朔太郎の容態ばかりが気掛かりだった咲結。

 お風呂に入り、ほっと一息吐いた時も涙が溢れそうになっていたもののそこでは泣かなかった。

 けれど、大好きな朔太郎の温もりを肌で感じられた事で我慢していた数々の感情が一気に溢れ出てしまったのだ。

「咲結、大丈夫だよ。もう怖い事は無いから。今日はずっと一緒に居る。だから、安心していい」
「……っ、さっくん……ッ」

 泣きじゃくる咲結の頭や背を優しく撫でながら、朔太郎はこれから先、もう二度と咲結を危険な目に遭わせない事を改めて誓う。

 それから暫くして、ようやく落ち着きを取り戻した咲結は「さっくん、ありがとう。もう、大丈夫だよ」と言って一旦朔太郎から身体を離した。

「そっか。なら良かった」
「ごめんね、身体、痛くない?」
「平気だよ。それじゃあ、そろそろ寝るか」
「うん」

 そして、気付けば時刻は午前三時近くになっていた事もあったのでひとまず布団に入る事にした。

 リモコンで明かり消した朔太郎は隣の布団に入ろうとする咲結に「こっちに来いよ」と手招きをしながら呼び寄せる。

「え? で、でも……さっくん怪我してるし……」

 手招きされた咲結は、朔太郎に寄り添いたいものの怪我の事を考えると躊躇ってしまうけれど、

「怪我はどっちも右側だから、(こっち)なら平気。ほら、来いって」

 銃弾を受けたのは右肩と右脇腹辺りなので左側なら平気だと言って再度咲結を呼び寄せる朔太郎。

 そんな彼に咲結は、

「それじゃあ……失礼します……」

 恥ずかしそうに頬を紅く染めながら朔太郎の布団に入っていった。
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