近付きたいよ、もっと、、、。
「お父さん! さっくんを悪く言わないで! 確かに、見た目は派手かもしれないけど、さっくんは本当に良い人なんだよ……」

 朔太郎の良さを分かってもらえなかった事に胸を痛めた咲結は泣きそうな顔で父親に訴え掛ける。

 そんな咲結に朔太郎は、「咲結、俺は大丈夫だから」と声を掛けて落ち着かせると立ち上がって両親の方へ向き直り、

「確かに俺は見た目こんなで、素性も知れないから、ご両親からしたら話を聞いただけでは信用出来ないかもしれないですし、俺みたいなのが大切な娘さんの交際相手なんて尚更納得出来ないかもしれません。ただ、俺たちは中途半端な気持ちで交際している訳じゃないです。咲結さんが俺を好きでいてくれる以上に、俺も咲結さんのことを大切に想っています。この髪色やピアスが気に入らないって言うなら、止める覚悟でもいます。今回、嘘をつかせて外泊をさせてしまった事は本当に申し訳無かったです。これからはそんな事が無いよう、必ず決められた時間までに自宅へ送り届けます。だから、俺たちの交際を認めて貰いたいです、お願いします!」

 思いを口にした後で、深々と頭を下げて交際を許して欲しいと願い出た。

 そんな朔太郎を見た咲結も彼に倣って立ち上がると両親を見据え、

「お父さん、お母さん、さっくんはね、保育士さんをしているし、子供にも凄く好かれてるんだよ。私に危険があれば自分の身を犠牲にしてでも助けてくれる、本当に本当に優しい人なの。さっくんだから惹かれたし、さっくん以外の人なんて目に入らないくらい、大好きで大切な人なの! これからは嘘つかないし、決めるなら門限だって守るから……だから、さっくんのこと、悪く言わないで……私からさっくんを、奪わないで……お願い……」

 自分の中にある想いと、朔太郎の良さを再度説明して頭を下げた。
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