近付きたいよ、もっと、、、。
 一方、咲結はというと、両親に朔太郎の事を知られて初めは戸惑い不安があったものの、条件付きではあるが、認めて貰えた事に安堵していた。

 そして、自室のベッドの上で横になり、咲結なりにこれからの事を考えていく。

(認めて貰えたのはいいけど……もし、さっくんがヤクザって事を知られたら……お父さんもお母さんも、絶対許してなんてくれないよね……)

 一番気がかりなのは、やはり朔太郎が極道の世界に身を置いている事。

 優茉の時を思うと、理解されない事と分かるからこそ、知られたらどうしようと不安になる。

(……でも、隠し通す事、出来るのかな?)

 言わなければ、知られる事は無いかもしれない。

 けれど、昨日自分が置かれた状況を思い返し、もし万が一にも自分だけではなくて、両親にまで危害が加えられそうになる事もあるかもしれないと考えた。

(知らなくても、私だけじゃなくてお父さんやお母さんが危険な目に遭ったら……どうしよう……)

 不安は募るも、だからと言って朔太郎と離れる選択なんて出来ない咲結。

(……大丈夫だよね? 理仁さんも言ってたもんね、昨日みたいな事が無いよう、私の周辺の警戒も強化してくれるって……)

 嘘をつかないと約束したくせに、既に嘘をついている今の状況を後ろめたく思いつつも、せめて何も知らない両親の安全だけは保証して貰えるよう朔太郎に話してみようと、これについて考えるのを一旦やめる事にした。

 それから数日後の学校終わり、朔太郎の方から『話がある』と連絡を受けた咲結は三葉の運転でやって来た朔太郎。

 彼らの車に駆け寄ると、運転席側の後部座席の窓が開き、中から朔太郎が顔を見せる。

 その瞬間、

「さっくん、どうしたの、その髪色!?」

 ダークレッド色に髪を染めた朔太郎を前に、驚いた咲結は何があったのかと尋ねるも、

「いや、ちょっと……イメチェン的な?」

 明るく笑いながら朔太郎は理由を答えずにはぐらかした。
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