父性本能を刺激したようで最上級の愛で院長に守られています
「あのですね、風の便りで戸根院長と別れた直後、つらくて遠くの街に引っ越したって。今日はどうして戸根に来たのか」
「地元に戻って来て暮らしているのかね」
「あとで登録情報の変更があるかの確認を四季浜さんにしますから分かりますね」
んだね。
「ラブだから、なにか手伝うことがありそうね。診察室に行ってみるわ」
「私も電子カルテに状況を入力するので一緒に入ります」
診察室に入ると二人の世界の空気感が出来上がっていて入りづらい。
「アリスは相変わらず食いしん坊だな、餅を食ったらしいのか。よく高齢なのに喉につっかえなかったな」
「祐希くん、笑い事じゃない。お餅が四つなくなっていたの」
焼いた餅をテーブルの上に置いて、ちょっとした隙にやられたみたい。
「アリスにはバレットの分まで長生きしてもらわなきゃな。川見さん、症状の入力をしてくれ」
「はい」
「受診三日前から徐々に腹部を床につけて伏せなくなった、おそらく腹痛の自覚症状があるんだろう。問診で餅が四つなくなっていると飼い主の証言あり」
アリスは元々おとなしいのか、しんどいのか高齢だからかじっとしている。
「唯夏、泣くなよ」
肩に手を置いて慰めている顔、顔が違う。初めて焼きもちを焼いた。
餅だけに。
立て膝をついた戸根院長がアリスの腹部を触診しようとすると触られるのを嫌がる。
「餅食ったのはどの子だ? ん、ここに居る食いしん坊のアリスって子か?」
控えめに笑う余裕のあるリラックスした戸根院長が愛しそうにアリスの首周りを優しく撫でる。
「んんん、お腹が張っているなぁ。お腹を触ると力を入れる、痛いんだな」
梨奈ちゃんのパソコン入力のキーボードを打つ音に、戸根院長の言葉をひとつも聞き漏らさないぞっていう熱が感じられる。
「腹部CT検査するから伊乃里先生一緒に来て」
「はい」
なにもなかったように立ち上がる戸根院長と、今はそれどころじゃないアリスに集中する私。
検査は二十分程で終わった。
待っている間に梨奈ちゃんが四季浜さんに、改めて個人情報などを聞いて電子カルテに入力していた。
「唯夏、診察室に入って」
丸椅子に座る四季浜さんの足もとには、アリスがお腹が痛いようで、じっとして座っている。
「地元に戻って来て暮らしているのかね」
「あとで登録情報の変更があるかの確認を四季浜さんにしますから分かりますね」
んだね。
「ラブだから、なにか手伝うことがありそうね。診察室に行ってみるわ」
「私も電子カルテに状況を入力するので一緒に入ります」
診察室に入ると二人の世界の空気感が出来上がっていて入りづらい。
「アリスは相変わらず食いしん坊だな、餅を食ったらしいのか。よく高齢なのに喉につっかえなかったな」
「祐希くん、笑い事じゃない。お餅が四つなくなっていたの」
焼いた餅をテーブルの上に置いて、ちょっとした隙にやられたみたい。
「アリスにはバレットの分まで長生きしてもらわなきゃな。川見さん、症状の入力をしてくれ」
「はい」
「受診三日前から徐々に腹部を床につけて伏せなくなった、おそらく腹痛の自覚症状があるんだろう。問診で餅が四つなくなっていると飼い主の証言あり」
アリスは元々おとなしいのか、しんどいのか高齢だからかじっとしている。
「唯夏、泣くなよ」
肩に手を置いて慰めている顔、顔が違う。初めて焼きもちを焼いた。
餅だけに。
立て膝をついた戸根院長がアリスの腹部を触診しようとすると触られるのを嫌がる。
「餅食ったのはどの子だ? ん、ここに居る食いしん坊のアリスって子か?」
控えめに笑う余裕のあるリラックスした戸根院長が愛しそうにアリスの首周りを優しく撫でる。
「んんん、お腹が張っているなぁ。お腹を触ると力を入れる、痛いんだな」
梨奈ちゃんのパソコン入力のキーボードを打つ音に、戸根院長の言葉をひとつも聞き漏らさないぞっていう熱が感じられる。
「腹部CT検査するから伊乃里先生一緒に来て」
「はい」
なにもなかったように立ち上がる戸根院長と、今はそれどころじゃないアリスに集中する私。
検査は二十分程で終わった。
待っている間に梨奈ちゃんが四季浜さんに、改めて個人情報などを聞いて電子カルテに入力していた。
「唯夏、診察室に入って」
丸椅子に座る四季浜さんの足もとには、アリスがお腹が痛いようで、じっとして座っている。