剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~
「心の準備はいい?」
「はい」
鳴海は専用のカードキーを端末にかざし鍵を開けるやいなや、真綾の膝の裏に腕を差し入れ、いきなり身体を持ち上げた。
「きゃっ!」
突然の出来事に、真綾の口から悲鳴が上がる。
ふわりと頼りなく浮いた身体は、本能的に鳴海にしがみつく。
(えっ? なに!?)
鳴海はしてやったりと口の端を上げ、真綾の額に自分のものを押し当てた。
「新妻を抱き上げて部屋に入るのは、新居のお約束だろ?」
間近で感じる鳴海の熱い視線と"新妻"という単語を耳にして、真綾の体温はみるみるうちに急上昇した。
「もう! 先に言ってください! すごくびっくりしたんだから!」
「あはは。ごめんごめん」
たまりかねて抗議したが鳴海は微塵も悪いと思っていない様子だ。
真綾を抱き上げたまま、部屋の中にどんどん足を踏み入れていく。
荷物がないまっさらなリビングには、これから始まる新生活への期待があふれていた。
(どうしよう)
真綾は鳴海の横顔をただ見つめていた。
彼を想うと胸が高鳴ってどうしようもない。