剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~
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入居の儀式が終わり、トラックに積み込んだ荷物を運び終わると息つく間もなく荷解きをする。
真綾にあてがわれたのは廊下側のひと部屋。
鳴海の部屋はリビングの隣だ。
睡眠不足を解消するためには、当然同じ部屋で寝るわけにはいかない。
「うん。こんなもんかな?」
もともと荷物が少ないこともあり、夕方にはひと通りの荷物を片付け終える。
鳴海が事前に必要な家具と家電を買い揃えておいてくれたおかげだ。新生活は思いの外スムーズに始められそう。
「真綾ちゃん、夕飯どうする? 引っ越しそばでも出前する?」
ひと段落したところで、ドア越しに鳴海から声をかけられる。
「簡単なものでよろしければ、私が作りますよ。ちょうどスーパーに行きたいと思ってましたから」
「俺も行くよ。荷物持ちが必要だろう?」
鳴海は率先して荷物持ちを買って出てくれた。
買いたい物を軽くメモしたら、連れ立って部屋から出る。
最寄りのスーパーまでは歩いて五分ほどだ。
「わあっ! 安い!」
真綾は手書きの値札を見て、度肝を抜かれた。
「見てください太陽さん! こんなに大きなあさりが、ひとパック二百円ですよ!」
あまりの安さに興奮しながら話しかけると、太陽はたまらずぐふっと息を吐き出す。