剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~
「うん。真綾ちゃんが楽しそうでよかった」
あははと笑われ、かあっと顔が熱くなる。
新しいスーパーという物珍しさもあり、ついはしゃぎすぎた。
「それで、何を買うんだっけ?」
「ええっと。鶏肉とじゃがいも、それからナスにニンジン。朝食用のパンとヨーグルトと――」
冷静さを取り戻した真綾はメモアプリに記入した食材名をひとつずつ読み上げた。
引っ越し初日なら、華やかなお祝いメニューが食卓に並ぶべきなのに、メモにあるのはどれも平凡な食材ばかりだ。
「あの、本当に夕飯はスープカレーでいいんですか?」
念を押すように、鳴海にもう一度確認する。
「うん。真綾ちゃんの作ったスープカレーが食べたい」
買い出しに出かける前、希望のメニューがあるか尋ねたら、スープカレーがいいと即答された。
真綾としてはもっと凝ったメニューでもよかったけれど、うれしそうに声を弾ませる太陽の期待に応えないわけにはいかない。
ふたりは店内を回り、カゴの中に次々と材料を入れていった。
途中で楽しくなってきて、見かけない銘柄のワインや、変わったお菓子など予定外のものまで購入する。
その結果、大きめのエコバッグを持ってきたのに、袋詰めしたら食材でパンパンに膨れてしまった。
スーパーから出た鳴海の肩にはいかにも重そうなエコバッグがぶら下げられている。