剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~

 スープカレーが完成したらボウルに盛り付け、ダイニングテーブルに運べば準備は万端だ。
 ふたりは椅子に座り、手を合わせた。

「いただきます」
「いただきます」

 テーブルには他にサラダとフルーツが並んでいるが、まずはスープカレーが入ったボウルに手を伸ばす。

「うわっ。からっ! でもうまい!」

 念願の真綾お手製のスープカレーとあって、鳴海はうれしそうにスプーンを動かした。
 食堂で提供するときは、誰でも食べやすいようにトマトや牛乳で味をマイルドにしている。
 今日は辛めの味付けにして正解だったみたいだ。

(太陽さんはからい方が好みなんだな。覚えておこう)

 スプーンを口に運びながらふと目線を上げれば、鳴海は優しく目を細め真綾を見つめていた。

「真綾ちゃんと結婚できるなんて幸せ者だな、俺」
「ス、スープカレーぐらいで大げさですよっ!」

 思いがけない殺し文句に真綾は慌てふためく。

「俺、本気だから」

 鳴海は真剣な眼差しで真綾を射抜いたかと思うと、ふっと表情を和らげた。

「婚姻届だけど、来週の日曜でいい? ちょうど大安だし」
「あ、はい……」
「夕食も外で食べよう。せっかくのお祝いだし、いい店予約しておくからさ」
「わ、わかりました」

 さらりと初デートの約束まで取り付けられたが、真綾は素直に従った。

(まだ心臓がドキドキしている)

 今日一日、鳴海にドキドキさせられっぱなしで、早くも心臓が根を上げそうだ。

(本当に大丈夫なのかな)

 とうとう始まった新生活だが、先が思いやられるばかりだった。

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