剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~

 ◇

「おかしくないかな?」

 外出の約束をした当日。
 真綾は滅多に着ないペールブルーのワンピースを引っ張り出し、姿見の前で何度も全身を確認していた。
 心なしか髪も曲がっている気がするし、化粧もノリが悪い気もする。

「そろそろ準備できた?」
「はい! 今行きます」

 往生際悪く手直しを繰り返していた真綾はようやく観念し、バッグを持って廊下に出た。
 そして、壁にもたれながら待っていた鳴海に目を奪われる。
 普段着はTシャツやゆったりとしたラフなファッションが多い鳴海だが、今日ばかりはかっちりとしたワイシャツにブラックのサマージャケットを着ていた。
 身体のラインが露になり、鍛え上げられた肉体美が際立つ。まるで海外のモデルのようだった。

「真綾ちゃん?」
「す、すみません。た、太陽さんの服装が珍しくて。つい見惚れちゃって……」

 馬鹿正直にそう告げれば、鳴海はクスリと笑みをこぼした。

「真綾ちゃんも似合ってるよ。髪もふわふわしててかわいい」

 ヘアアイロンで緩く巻いた髪をひと房だけ指に絡ませ、クルクルと弄ばれる。
 真綾はぎゅっと目を瞑り、心臓の鼓動が収まるまでやり過ごした。
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