剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~
「自分は鳴海さんの部下で真壁と申します。いつも鳴海さんにはお世話になっております」
弁当箱を運んできた隊員は姿勢を正し、深々と頭を下げた。
「ああ! あなたが真壁さん?」
真綾はようやく合点がいった。
よくよく顔を見れば、いつも鳴海と食事をとりにくる隊員だ。
真壁という部下の話は真綾もよく聞いている。
「本当に尊敬できる上官で、あなたと結婚されると聞いたときは高嶺の花を射止めるなんてさすがだと、隊員一同が感服しました」
「ふふっ。お世辞がお上手ですね」
高嶺の花なんて大袈裟だ。
機動隊という圧倒的に男性比率の高い場所で働いているだけで、そんな風に言ってもらえるなんて気恥ずかしい。
「おっと。これ以上あなたを褒めると鳴海さんに睨まれますね。上官の妻に横恋慕なんて、大スキャンダルです」
「あははっ」
真綾はたまらず吹き出してしまった。
鳴海の部下ということもあってか、話し上手な真壁との会話はどこか小気味よい。
鳴海の話をもっと聞いてみたくなってウズウズしてくる。
「鳴海さんとはずいぶんと仲がよろしいんですね」
「鳴海さんが寮にお住まいの時には、定期的に食事に連れて行ってもらっていました。熱を出したときには、差し入れも」
面倒見のいい鳴海らしいエピソードに、真綾まで誇らしい気持ちになる。