剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~
「まあ、結婚されてからは訓練が終わるとまっすぐ帰られるので、めっきり機会が減りましたけどね。よほど家庭の居心地がいいのかと。いやあ、結婚って本当にいいものですね」
真壁は真綾にニコッと温かい眼差しを向けた。
鳴海の一連の行動は隊員達の目には、妻を恋しく想う男のそれだと認知されているみたいだ。
真実はともかくとして、真壁の生温かい視線にはいたたまれないものがある。
真綾は意識的に話題を変えた。
「上官と一緒の寮暮らしで、気を遣ったりしないんですか?」
「それほど気になりませんよ。自分と鳴海さんではそもそも階級が違いますし、使う部屋も離れていましたからね」
「へえ」
「角部屋で広い上に隣室も空きの鳴海さんの寮部屋は、よく飲み会に使われていましたよ」
真壁の言葉を耳にした瞬間、真綾の表情が固まる。
(今なんて?)
真綾は声を震わせながら確認した。
「太陽さんの寮部屋の隣室は空きだったんですか?」
「あ、はい。一昨年までは鳴海さんの同期の方が入居していましたけど、異動されてからはずっと空きでしたよ」
「そう、ですか……」
知られざる事実が判明し、動揺を隠しきれなくなる。