剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~
◇
「もう一度よろしいですか?」
結婚式場のパンフレットを渡された三週間後の今日。産婦人科を訪れていた真綾は女医の話に度肝を抜かれた。
「妊娠二カ月ですよ。体調はどうですか? つわりは?」
「あ、いえ。特に……」
驚きを隠せない真綾のことなどそっちのけで、女医はその後も淡々と説明を続ける。
「体調が優れないときは身体を休めてくださいね。無理は禁物ですよ。次は三週間後に来てください」
最後に胎児のエコー写真をもらい、診察室を追い出される。
真綾は診察が終わっても、しばらく呆然としていた。心ここに在らずの状態のまま会計を済ませ、病院の外に出る。
(赤ちゃん? 本当に?)
予定日よりも三週間も月経が遅れていて、念のためと思って病院を受診したはず。
婦人科系の病気を疑っていたのに、まさか妊娠を告げられるなんて。
まさに狐につままれたみたいな気分だ。
(こ、こういう時ってどうすればいいんだろう?私がお母さんになるってこと?)
自分の身体の中に真新しい命が宿っている。
真綾は恐るおそる己の下腹部を手でなでた。かわいい我が子と会えるのは十月十日後だ。