剛腕SATな旦那様は身ごもり妻を猛愛で甘やかす~利害一致婚のはずですが~
「真綾?」
誰かから肩を揺らされ、真綾はゆっくりと瞼を開けた。
目の前には愛しい夫が極上の笑みを湛えていて待ち構えていた。
「ソファでうたた寝なんて珍しいな。疲れてるのか?」
鳴海はふわりと真綾の頭をなでた。眠り姫の目覚めを待ち望んでいた王子のようだ。
窓の外を見れば、すっかり日が暮れている。
どうやら、ずいぶんと長い時間寝入っていたらしい。
「あっ! ごめんなさい。夕食の支度がまだで……」
真綾は慌てて身体を起こし、鳴海に謝った。
本当なら少し休憩したら買い物に行くつもりだったのに、寝過ごしてしまった。
「謝らなくていいよ。今日は俺が作るから、真綾は座っていてくれ」
「でも――」
早番の日は真綾が夕食を作るルールになっている。
「いいから! 真綾はテレビでも見てて」
鳴海はそう言うとキッチンに入り、冷蔵庫を物色し始めた。
しばらくするとなにを作るか決まったのか、キッチンから賑やかな音が聞こえてくる。
真綾は再びソファに身体を預け始めた。たしかに今日はいろいろなことが重なり動くのが億劫だ。
真綾は素直に甘えることに決めた。