屈辱なほどに 〜憎き男に一途に愛を注がれる夜〜
翌朝。


目が覚めると、隣には上半身裸の阿久津さんが眠っていて、反射的にぎょっとして飛び起きた。

わたしも服を着ていなくて、とっさに布団で体を隠す。


…そうだ。

わたし…昨日、阿久津さんと――。


思い出すだけで、あんなに乱れてしまっていた自分が恥ずかしくて…穴があったら入りたい。


貴斗とのことがあって、精神的に参ってしまっていませいだ…。

屈辱なほどに、完全に雰囲気に飲まれていた。


…わたしが、…阿久津さんと。

――憎い男のはずなのに。


でも、どうして阿久津さんもわたしなんかを――。



キッチンで朝食の準備をしていたら、阿久津さんが起きてきた。


「おはよう。早かったな」

「…お、おはようございますっ…」


…どうしよう。

顔をまともに見られない。


サラダ、スープ、ハムエッグトーストが乗ったお皿をダイニングテーブルに並べる。
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