[慶智の王子・伊集院涼介の物語]冷酷弁護士と契約結婚
「あのアパートに戻るのは危険だ。誰か頼れる人は?」
「......い、いません。両親は仕事の関係でアメリカにいます友達も会社の先輩にも危害が及ぶかもしれないので、頼れません。新しいアパート見つけるまで、どこか安いホテル探します。先生、お世話になりました」
立ち上がりカバンにスマホを入れたとき、昨日の郵便物を見つけ青ざめた。鈴音の名前だけ書いてある大きめの封筒には、消印さえもない。誰かが直接郵便受けに入れたのだろう。
「どうした?」
「昨日郵便受けに入っていました……」
鈴音が震える手で差し出した。
「開けるぞ」
いやな予感しかしない。
『君が会社を辞めようと、どこへ行こうがいつも見ているよ。だって僕たちは一緒になる運命だから』
手紙と一緒に昨日と同じ写真が入っていた。
先ほどから震えが止まらない鈴音の呼吸は速くなり、目には涙をため今にも倒れそうだ。
「大丈夫、ここにはヤツは入ってこられないから。ゆっくり息を吸って......吐いて......そうだ、その調子だ」
優しく背中を撫でながら鈴音を座らせ、涼介も隣に腰を下ろす。
「......い、いません。両親は仕事の関係でアメリカにいます友達も会社の先輩にも危害が及ぶかもしれないので、頼れません。新しいアパート見つけるまで、どこか安いホテル探します。先生、お世話になりました」
立ち上がりカバンにスマホを入れたとき、昨日の郵便物を見つけ青ざめた。鈴音の名前だけ書いてある大きめの封筒には、消印さえもない。誰かが直接郵便受けに入れたのだろう。
「どうした?」
「昨日郵便受けに入っていました……」
鈴音が震える手で差し出した。
「開けるぞ」
いやな予感しかしない。
『君が会社を辞めようと、どこへ行こうがいつも見ているよ。だって僕たちは一緒になる運命だから』
手紙と一緒に昨日と同じ写真が入っていた。
先ほどから震えが止まらない鈴音の呼吸は速くなり、目には涙をため今にも倒れそうだ。
「大丈夫、ここにはヤツは入ってこられないから。ゆっくり息を吸って......吐いて......そうだ、その調子だ」
優しく背中を撫でながら鈴音を座らせ、涼介も隣に腰を下ろす。