恋愛日和 いつの日か巡り会うその日まで
あの時はすぐに気づけなかったけど
今思えば、きっとこの時が既に恋の始まりだったのかもしれない



『‥‥矢野は小さくて可愛いな。』

「うぇ、ええっ?」


矢野って呼ばれただけでもまた顔が熱くなる始末。
 

それなのに、去り際に彼の長くて綺麗な手が私のショートヘアを撫でるだけで、
電気が走るように心が震えていく


可愛いなんて初めて言われた‥‥

だって周りのみんながヘアメイクに興味を持つ中、私はほとんどノーメイク。

嬉しいけど‥お世辞だよね?



『‥‥これさ、読み終わったら
 矢野に直接渡すから。』


触れられた頭がずっと熱を帯びて
私は俯いたまま返事もできず
その場から暫く動けなかった


追憶 END
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