面社長のお見合い8連敗~庇護欲強めの恋愛初心者でした~
 熊崎社長は準備をしてこちらに持ってきてくれた。私の隣に座ってグラスを差し出してくれる。飲みやすいようにストローがさしてあった。

「ありがとうございます」

 流し込むととても冷たくて美味しい。

「美味しいです」

「よかった。遠慮なく何でも言ってくれ」

「はい」

 すぐに部屋が静まり返ってしまう。

 何か会話をしなければと話題を考えてみるが、熊崎社長のことは甘いものが好きだということくらいしかわからない。

「食事は……ケータリングで構わないか?」

「もちろんです」

「ここに滞在している間の費用は何も心配しなくていい」

「しかし……」

 すべてお世話になるのは申し訳ないと思って反論しようとしたが、熊崎社長は頑なに頭を縦に振ってくれなかった。

< 34 / 91 >

この作品をシェア

pagetop