堅物弁護士が占い好きな私に恋を教えてくれました
 しかし彼女は俺とは真逆で、占い師の言葉を信じすぎた結果、詐欺に遭いそうになっていた。
 当たるも八卦当たらぬも八卦、と言うだろう。信じ込まずに参考程度に考えていたらよかったのに。
 そんな素直過ぎるところが危なっかしくて、でも……かわいいとも思う。

「魔除け効果なら玄関のほうがいいのか?」

 ブレスレットをどこに置いておこうかと考えた結果、玄関のシューズボックスの上にあるフックに吊るすことにした。
 これを見るたびに彼女の顔が浮かぶじゃないか。どうしてくれるんだ。
 誰に向けてかわからない文句を心の中で唱えたあと、リビングに戻ってパーティー用の彼女のドレスを考える。
 勇気はモードクレアの御曹司と仲がいいから、そのブランドを選ばざるをえないな。

 翌日早速ショップに出向くと、ひときわ目を引くドレスを見つけた。彼女が着たらどれほど似合うことか。
 俺は迷わず購入を決めたのだが、包んでもらっているあいだに今度はネックレスに目が留まる。
 気がつくと一粒ダイヤの上品なネックレスを選んで会計を済ませていた。
 自分の行動が信じられない。冷静に考えたらここまでする必要はないだろう。
 だけどこのときの俺は楽しくて仕方なかった。自分が選んだものを身につける彼女の姿を想像したら珍しく胸が躍った。

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