堅物弁護士が占い好きな私に恋を教えてくれました
「ところで……先生のおうちにお邪魔して本当に大丈夫なんですか?」
「どうして? 怖くなってきた?」
「怖いわけないです。私なんかを家に入れてもいいのかなって思っただけで……」

 信号が赤に変わり、車がゆっくりと停止線で止まった。
 こちらに顔を向けた彼が左手を伸ばしてきて、おもむろに私の手をギュッと握る。

「俺は大事な人しか家に入れない」
「先生……」
「君は自己評価が低すぎるな」

 そう言われても自信は持てないけれど、少しくらい期待してもいいのかなと思えた瞬間だった。

 高級マンションが立ち並ぶエリアの一角、建物の地下にある大型駐車場へ車が入っていく。
 どうやら彼は富裕層が集うレジデンスに住んでいるみたいだ。

「適当に座ってて」
「お、おかまいなく……」

 玄関に足を踏み入れ、そのあと案内されたリビングが想像以上に広くて、思わずキョロキョロと辺りを見回してしまう。
 部屋は全部でいくつあるのだろう。ひとりで過ごすには贅沢すぎる暮らしぶりだ。
 インテリアは落ち着いたブラウン系で統一されていて、オシャレなカラーコーディネートが彼らしい。
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