堅物弁護士が占い好きな私に恋を教えてくれました
「大丈夫です。私も先生の誕生日を知ってますから。六月十日生まれのふたご座ですよね」

 多少酔っているせいか、私はいつもより上機嫌で人差し指をピンと立てつつにこりと笑う。
「そのとおりだ」という返事を予想していたのだけれど、彼はポカンとしたあと不思議そうな顔をした。

「いや、違う」
「……え?」

 一瞬思考が止まる。今度は私が放心する番だ。

「だ、だって……社内報に載ってたプロフィールにはそう書いてありましたよ?」
「ああ、あれね。実は間違ってたんだ。本当は八月十日生まれなのに、六月って。きっと数字を見間違えたんだな」

 たしかにアラビア数字での表記だと六と八はなんとなくフォルムが似ている。
 それにあとから間違いに気づいたところで、彼がどうでもいいと訂正を要望しなかったとしたら今もそのままだ。

「ちょっと待ってください。八月十日生まれなら……しし座じゃないですか! 血液型はABですよね?」
「そうだ」

 思わず満面の笑みを浮かべながらはしゃぐようによろこんでしまった。
 ずっと、ふたご座だと思っていたのに実はしし座だった。
 これで“六歳年上でしし座のAB型”にピタリと当てはまる。

「俺も今日、君の生年月日を見て六歳差だと気づいた。以前に聞いた“運命の人”の条件のことを思い出したよ」
「それです! やっぱり占いどおりだった」

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