堅物弁護士が占い好きな私に恋を教えてくれました
 ウキウキと声を弾ませる私とは対照的に、羽瀬川先生は小さく溜め息を吐いて肩を落とした。

「よろこばれるのも複雑だな。まるでその条件の部分だけを気に入られたようで」
「先生……」
「俺は星座も血液型も年齢差も気にしない。君のやさしいところ、純粋で素直で一生懸命なところを好きになったんだ」

 真摯にまっすぐに、彼は自分の気持ちを伝えてくれた。
 だから私も、ほんの少しの誤解も受けないようにきちんと思いを伝えよう。
 今夜ここに来る前から覚悟だけは決めていた。きっと今がそのときだ。

「条件に当てはまらないと思っていたときは、本当に残念で心から落ち込みました」

 運命の人じゃないからすぐに振られるだろう。だったら、さっさとあきらめたほうがいいのではないかと考えたりもした。
 けれど、自分自身でコントロールできないほど思いは強くなっていて、とっくに手遅れだったのだ。

「私、羽瀬川先生が好きです。好きすぎて胸がいっぱいで、どうしようってなるくらい。だから条件の部分だけを見てるって誤解しないでください」

 情けない涙を流している私に、そっとハンカチを渡してくれたときも。
 パーティーのために素敵なドレスやアクセサリーを贈ってくれたときも。
 なにより、――――あの甘い夜の出来事も。

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