堅物弁護士が占い好きな私に恋を教えてくれました
「ま、待ってください」
「待たない。というより、待てない」

 明かりのついていない暗がりの中でベッドにやさしく降ろされた。
 あの甘い夜と同じ状況になっているのだと、頭での理解がようやく追いついてきて、心臓が破裂しそうなほど早鐘を打ち始める。

 自然と目が慣れてきて、私に覆いかぶさっている彼の表情が見えてきた。
 意志の強そうな瞳に、普段とは違う妖艶な熱が灯っているのがわかった。

「かわいい」
「あの……」

 続けようとする言葉をキスでふさがれた。指と指が溶け合うように絡められていく。

「どうしようもなく好きなのは、きっと俺のほうだな」

 額に、頬に、目元に、唇に、ひとつずつていねいに愛情を込めて彼がキスをくれた。
 それがうれしくて、再び目尻から涙がこぼれ落ちる。

 彼が首筋や耳元に舌を這わせて翻弄させながら、器用に服を脱がせていく。
 最初に肌を合わせたときよりも、今夜のほうがよほど官能的だ。

「っあ!……亜蘭さんっ……」

 ブラジャーを床に落とした彼の手が私の胸に触れると、途端に恥ずかしさが込み上げてきた。
 小声で名を呼んでみたものの、男の色気をふんだんにまとった彼は止められそうにない。
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