彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません

 窓の外を流れていく街の灯りをぼんやりと眺めながら、自分の鼓動を感じていた。

 心臓がうるさくて、まるで落ち着かない。

 先生の運転する助手席に乗っているなんて。

 いろんな感情が複雑に混じっていて、思わずシートベルトを握りしめた。

 少しだけ視線を隣へ向けると、タイミングを見計らったみたいに瀬名先生が口を開いた。

 「楽しかった?」

 先生はいつもと変わらない。

 「……そうですね」

 それだけ返して、また視線を外す。

 沈黙が戻る。

 少し気まずくて、落ち着かない。

 信号で車が止まった。

 その瞬間、ふと視線を感じて顔を上げると、瀬名先生と目が合った。

 すぐに逸らすことができなくて、そのまま数秒見つめ合う。

 「……ちょっと我慢できなかった」

 「え……?」
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