彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません
そう思うほど、余計に意識してしまう。
こんなふうに誰かを待つのは、いつぶりだろうか。
仕事でも、日常でも、時間に追われることはあっても、こんなふうに「来るのを待つ」なんてことは、最近ではほとんどなかった気がする。
それなのに今は、ほんの数分のはずの時間がやけに長く感じられて、無意識にハンドルを指先で軽く叩いている。
……らしくない。
自分で思って、苦笑が漏れる。
そのとき、人混みの向こうで、ふと動きが止まった。
見慣れた仕草。
少しだけきょろきょろと周りを見渡して、それから、何かを探すように視線を巡らせている。
――ひより。
名前を呼ぶより先に、身体が反応していた。
ドアに手をかけ、外に出ると、ちょうどこちらに気づいたひよりと目が合った。