彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません
「わ、私……っ、思い出せっないのに……いいんですかっ……?」
先生の整った顔が、涙でぼやける。
「思い出さなくていい。俺がちゃんと覚えてるから」
先生の瞳も声も、真っ直ぐで、
「また、俺を好きになってくれたなら……それだけでいいんだ」
「うっ……」
堪え切れずに声まで漏れて、視線を落とした。
嘘のない誠実な思いに、胸がこれでもかと言うほど締め付けられる。
「ひより」
そう呼ばれて、また視線が絡む。
ゆっくりと距離が縮まって、先生の手が頬に触れた。
息も整わないまま、そっと唇が触れる。
優しく、ほんの数秒。
ゆっくりと離れた唇は、まだお互いの吐息がかかる距離にあって、
「……ヤバいな」
そう言って、頬に触れていた手がそのまま後ろに回ったかと思うと、コツンと額が合わさった。