彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません

 やっと送った返事には、すぐ既読がついた。
先生たちは定時が17時のため、私たち看護師より30分早く上がっている。

 まだ医局にいるか、帰路についているかのどちらかだろう。

「そっか、残念。じゃあ、5分だけでも話せない?帰り道でいいから」


 結局私はどう断っていいかわからず、帰り道少しだけ話すことになってしまった。

「吉岡さん、おつかれ」

 病院から出て少し離れたところで、先生と合流した。

 スクラブと白衣を脱いだ先生の私服姿に、思わず胸が小さく跳ねた。

「お疲れ様です」

「ごめんね、予定あるのに」

 先生はいつも通りで、柔らかく私に笑いかけた。

「いえ……。でも、先生すいません、個人的に会うのは……これで最後にしたいです」

 その言葉のあと、先生はすぐに何も言わなかった。
ほんの数秒なのに、やけに長く感じる沈黙が、二人の間に流れる。

 先生の反応が全く予想できなくて、怖くて、視線を逸らしてしまった。
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