彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません

また欲しくなる


 「ひより、おしげおつかれー。ゆっくり休みなよー!」

 「ありがとう、恵理ちゃん。あとよろしくね」

 「おつー」

 夜勤明け。恵理ちゃんに見送られ、同じく夜勤だったしげぴーと病棟を後にする。この病棟の夜勤は4人体制で、一緒だったあと二人は少し先に帰ってしまった。

 今回の夜勤は急変があって、ICUに送ったり、患者さんの転倒があって検査をしたりとなかなかハードだった。

 「あー疲れたな」

 「今日はすごかったね、久しぶりに。でも、瀬名先生が当直でほんと助かったね」

 「んーまぁ……そうだな」

 素直に認めたくないのか、あまり煮え切らない返事のしげぴー。

 それでも認めざるを得ないくらい、今回の夜勤では瀬名先生に助けられた。

 しげぴーの受け持っていた部屋の患者さんが、急に頭痛を訴えて嘔吐したのだ。そのあと容体が急変して、当直だった瀬名先生が駆けつけてくれた。

 先生は私たちがバタバタしている中でも、落ち着いて的確に指示を出してくれた。

 結局患者さんは脳出血疑いでICUに送ることになったのだ。


 「飯でも食って帰る?」

 エレベーターで1階についた私たちは、職員用玄関へ向かって歩く。

 「んー、今日はやめとこうかな」

 「そっか。俺はカロリー摂取したい気分。朝食べれなかったし、腹減ったー」

 「ふふ、忙しかったもんね。たくさん食べて、いっぱい寝てくださいな」

 「おう、そうするわ。じゃあな」

 「うん、おつかれ。またね」

 そう言って、私たちは玄関を出ると別れた。
< 36 / 41 >

この作品をシェア

pagetop