彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません

 ふう。確かに疲れたな。
 カフェラテでも買って帰ろうかな。

 私は駅手前にあるコンビニに向かって歩き始めた。
 
 この間、あんなことを瀬名先生に言ってしまって、いよいよ気まずいなと思っていた矢先に、まさか夜勤が被るなんて思いもしなかった。

 でも、急変対応に来てくれた先生に、気まずいなんて思っている暇もなく、目の前のことに精一杯だった。

 先生は、私にも何事もなかったかのようにいつも通りに接してくれて、本当に助けられたし、ありがたかった。

 あの時の先生……すごく頼もしかったな。

 普段チャラいのに、あんな一面を間近で見てしまうと心が持っていかれそうになる。

 ギャップってこういうことなんだな。

 これはたくさんの女子が惚れてしまうのもわかる気がする。

 ……でも、私はだめだ。

 そう自分に言い聞かせて、大きく息を吸って深く吐いた。


 「いらっしゃいませー」

 コンビニに着くと、真っ直ぐカフェラテがあるコーナーへ向かう。

 カフェラテがある飲料コーナーの前にすでに先客がおり、その姿を見て思わず「あ、」と声が漏れてしまった。

 その声はもちろん相手に届くはずで、

 「あれ、吉岡さん。おつかれさま」
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