彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません
普段の二人の雰囲気とは、明らかに違う。
一体二人で何を話すんだろう。
その時だった。
「わかってますよね。吉岡に近づかないでください」
…………え、わたし?
思わず一瞬息を止めた。
その間にも進んでいく二人の会話。
「吉岡は、アンタのこと覚えてないんだよ。だから、もうそっとしといてくれませんか」
「君には、関係ないよね」
「関係ある。これ以上、吉岡が傷つくところは見たくないんだよ」
どういうこと?
話の内容がうまく頭に入ってこない。
胸の奥がざわざわして、嫌な汗がにじむ。
でも、私のこと、だよね……?
頭が追いつかないまま、衝撃的な言葉が届いた。
「アンタと一緒にいれば、吉岡はまた傷つく。実際そうだろ。アンタのせいで吉岡は事故に遭って……アンタは吉岡の前から逃げたんだ」
え………。
無意識に片手で口元を押さえていた。
ドクンドクンと心臓がさっきまでよりも更に不穏な音を立てて暴れ出す。
思考は停止したまま、足は勝手に動き出していた。
これ以上、ここにいてはいけない気がして。