彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません
「瀬名先輩を見て、“真由ちゃんの彼氏さん?”って言ったの」
ドクンと不整な脈を打って、胸の奥を激しい痛みが襲う。
喉の奥がぎゅっと詰まった。
自分の言葉が、あまりにも残酷で。
瀬名先生は、どんな顔をしていたんだろう。
嬉しかったはずの再会の瞬間に、私の言葉はきっと――
「……私、最低」
小さく呟くと、真由ちゃんは少し困ったように眉を下げた。
「そんなことないよ」
真由ちゃんは首を振る。
「瀬名先輩、嬉しかったと思う。ひよりが目を覚ましたから。でも……自分のことだけ忘れられてて」
静かな声が続く。
「それでも毎日来てたよ。“私の彼氏”ってことにして」
私は言葉を失った。
カフェの中は賑やかなはずなのに、その瞬間だけ音が遠くなった気がした。
私はただ、呼吸をすることしかできない。
そういえば当時、真由ちゃんが彼氏さんを連れてお見舞いに来ていた。
それが、瀬名先生だったなんて。