彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません


 「……わからない」

 ようやくそう答えると、真由ちゃんは小さく笑った。

 「そっか」

 責めるでもなく、急かすでもない声だった。

 私は膝の上でぎゅっと手を握る。

 わからない。

 でも、ひとつだけはっきりしたことがある。

 私の知らないところで、瀬名先生は、ずっと私を想っていたということ。

 瀬名先生が、ずっと忘れられない人。

 それは――

 私だったんだ。

 なのに私は……

  瀬名先生に対して、なんて態度をとってきたんだろう。

 胸の奥が、ぎゅっと締めつけられる。今まで何度も向けられてきた優しい視線の意味を、私は何も知らないまま受け取っていたのだ。

 先生は、一体どんな気持ちで……

 
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