彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません
「チキン南蛮」
「……あ、チキン南蛮」
びっくりした。なんだ、そっちか。
ちょっと拍子抜けしてしまう。
「……はい、好きです。どうしてですか?」
「ん?なんとなく」
そう言って先生は笑う。
その顔を見て、ふと違和感を覚えた。
「先生、顔が少し赤いですけど……大丈夫ですか?」
「ん?大丈夫大丈夫。思ってたより強烈だっただけ」
「……なにがですか?」
私の問いに先生は少し困ったように笑い、箸を置いて私を見た。
「好きってワードが」
優しい眼差しの奥に、熱が宿っている気がして。
たまらず視線を定食に落とした。
顔が熱い。
「あ、あの……チキン南蛮のことですよ?」
「うん。あれ、今度は吉岡さん、顔が赤いね?」
そう言って楽しそうに笑う先生。
「せ、先生のせいです」
「おれ?それは嬉しいな。俺だけの前にしてよ?そんな可愛い顔するの」
「ちょ、先生っ」
小声と視線で必死に抗議する。
ここ、職場なのに。