月とスッポン  一生に一度と言わず
中に入ればそのお金を貯めて家を建て時にでも、家の中にあったら雨の日でも、子供達は遊べれる理想の部屋が、そこにあった。
元気いっぱいに部屋に入っていく子供達の後を慌てて追う。

「私たちが見ておりますので」
とふくよかな女性からタブレットを渡されて記入を求められる。

良く言っておおまか。悪く言えば大雑把な職人気質な祖父に慣れている龍平達の記入は「病院へ行くほど出なければ、全てok」なので楽なのだが、妙に距離が近い女が気になりいつも以上に時間がかかる。

「翔空!本当に翔空がいる!」

別の女性の声が聞こえて、振り向けば抱き合っている。

ムッと眉間に皺を寄せれば、抱き合っている2人を引き離す男性が見え、私と同じような顔をしていた。

「本庄さん、翔空です」

本庄さんと呼ばれた男性に、大きなジェスチャーで翔空を紹介している。

この人も事情を知っているのだろう。
優しく微笑みながら、翔空と挨拶を交わしている。
翔空の存在に嫉妬しているのではなく、抱き合った事に嫉妬していた事がわかる。

翔空に呼ばれ、翔空の元へ向かう。

子供達もと思ったが、遊びに夢中なのでそっとしておこう。
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