月とスッポン  一生に一度と言わず
老若男女問わず楽しめると人気なゲーム機を抱えた龍平。
龍平よりも大きな抱き枕を抱えた茜が私の元へと走ってくる。

色々思う所はあるが、「気にしたら負けです」の茜の言葉を信じて気にしないようにしよう。

私の返事に満足した龍平は目を擦り始める。
部屋に戻ろうか?
と聞けば「やだ。もっと遊ぶ」が発動する。

今日は特別な日だから、倒れるまで遊んでも構わないけど、流石に起きているうちにパジャマに着替えさせたい。

「りゅう、お部屋に戻ってはやぶさのパジャマにお着替えしようよ」
「はやぶしゃ・・・やだ」

パジャマにお着替え=お遊ぶ終了
と学習してしまった龍平は大好きな電車になるのとまだ遊びたい狭間で揺れている。

「りゅうくんのパジャマは、はやぶさなの?
かっこいい!私みたいなぁ。
はやぶさに変身したりゅうくん」

上手に誘導してくれたおかげで、龍平が素直に部屋へと戻っていく。
お礼を言えば、「私も帰るから抜け出したかった」と笑った。

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