月とスッポン  一生に一度と言わず
いや、電車という移動手段がある。
今からでも遅くはないのではないか?
今日が無理でも明日の朝一で出発すれば!

そう思い立ち検索をかけてみる。
新幹線の乗車率が、高い壁となり立ちはだかる。
1人ならばどうにかならないものか?
行くならどこが良いか?
いや、実際そんなに酔うほど飲んでいないのだから、今から寝てしまえばい朝には酔いが覚めて車で行けるのではないか?
だったら、そこまで遠出をする必要がない。
ならば、近場でいいのではないか?

などを地図上で行ったり来たりを繰り返す。

ここはゆっくりと時間をかけたい。
ここは海と行く約束をしている。
ここは名所だから今は激混みしているに違いない。だったら、空いている時にゆっくり見たい。

そんな事を考えているといく場所がない事に気づく。

日が落ち始め、少し暗くななっている。
上着を羽織り、外に出れば日が落ち気温がぐっと下がった外温に身震いする。
お客さん用に用意されている灰皿の近くで腰を下ろしタバコに火を着ける。

頭がクラクラする。
だけど、余計な事を考えたくない今の私には、それがちょうどいい。
夢と現実の間とはこの事をいうのか?
夢なら1人なのは仕方がない。
でも、1人は寂しい。

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