「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
「なあなあ、美月ちゃんって憲明さんに似てる?」

「いや、母親似だな」

「憲明さんイケメンだから、奥さんも美人だよな。となると美月ちゃんも絶対可愛いよな」

 勝手に決めつけるなとたしなめたいところだが、実際に美人なので口出しはしないでおく。

「なんだか会いたくなってきちゃった」

 乙女のような台詞を吐く姿に冷ややかな視線を投げつける。

「なあ、紹介して」

「は?」

「この後、早戸の家で飲み直そう!」

 決心したらしく手に持っていたメニューをぱたんと閉じ、頼んだばかりのウイスキーをごくごくと飲んでいる。

「美月に迷惑がかかる」

「でもさあ、ひとりで帰ったらまたいろいろ考えそうじゃないか? 寝るぎりぎりまで俺といた方が、今日のところは美月ちゃんに気分が落ち込んでいる姿を晒さなくて済むって」

 弱みに付け込まれているようにも聞こえなくもないが……一理ある。
< 170 / 222 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop