「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
「そっか……。あのさ、俺、美月のこと本気で好きなんだ」

 私が遠慮するのはおかしいと社内で再び話し掛け、業務上のやり取りをしていただけでも違和感はあったが、やっぱりこの人はどこかずれている。

 周りに私たちは和解しているとアピールするため、あえて気さくな態度でいると結論付けたが、だったらこうしてふたりきりの時まで絡む理由は? わざわざ思いの丈をぶつけてくる意味は?

 小さく息をついて、地面に視線を落とす。

 店舗から多少離れているとはいえ、誰かに見られたら困るし無視して帰ろう。

「ごめん、急いでるの」

「待って。少しでいいから」

 眉間に皺を寄せて陽平を正面から見据える。

 結婚を意識するくらい大好きな人だったのに、もう構わないでほしいと思うなんて……自分の感情だけれど、悲しい。

「双葉が妊娠したから責任を取って結婚はしたけど、間違っていた」

 もう終わったことなのだから説明はいらないのに。

「マタニティブルーなのか知らないけど、最近は喧嘩ばかりでしんどい」

 それは陽平が内村さんを裏切ったせいじゃないのか。

「双葉のせいで異動もさせられて最悪だよ。俺のキャリアが台無しだ。ヒステリーな子だと知っていたら、最初から付き合っていなかった」

 責任転嫁もいいところだ。
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