「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
 ソファに座って対面すると巧さんはすぐに口を開いた。

「ピルが置いてあった」

「……どこに?」

「シンクのそば」

 ピルは実家に行く直前に飲んだ。

 巧さんに見つからないようにいつもはご飯を作る前に服薬しているけれど、今日は慌てていたからバッグにしまい忘れたのだろう。

「どうして飲んでいるんだ? 持病と関係があるのか? 悪化したりはしていないか?」

 持病の薬については緊急時に対応してもらうために以前説明をしている。それにも関わらず、内緒で飲んでいた私になにかしら思うところがあるはず。

 ただ単純に問い詰めているわけではなく、私を心配する気持ちの方が強く感じられた。

 どんな時でも自分より相手を優先しようとする巧さんを、改めて好きだと思う。
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