結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

 全身が怠い。このまま眠ってしまいたい。ふわふわした幸せな浮遊感。
 でも、まだ離れたくないから、重たい腕を持ち上げて八木沢さんの背中に回した。私の首にキスをして、視界の端で彼が笑っている。
 仕草も視線も鋭いままだから、私の全てをこの人に知られてしまったような気がした。

「もう一回、抱いていい?」
「えっ?」

 もう寝るんだろうと思っていたのに、八木沢さんは一度体を離して、新しい避妊具を出していた。
 抱いていい? と聞いたくせに、私の返事なんか待たずに準備万端なのはなぜだ。
 だから、どうして持っているの、それ。どうして手の届く場所に置いてあるの。

「あ、あの八木沢さん、どうして……」
「すみません、年甲斐もなく興奮が治まらなくて」

 質問したいのはそっちじゃない。確かにまだ元気そうですけども!


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