結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

 確かに誤解されてしまう。
 考えすぎて、その晩、お風呂の中で溺れかけた。直接伝えたほうがいいよね、と思いながらリビングへ戻ると、充電していたスマホに、ぽつんと一件メッセージが入っていた。

『話があります』

 八木沢さんからのメッセージが見たことないくらいに短くて、「ひー!」と悲鳴を上げた。怖い。
 どう返信しようかと困っていたら電話がかかってきた。こんなこと初めてなので、パニックになりそうだった。

「あっ、お、お疲れ様です」
『仕事終わりました。開けてください』

 開けてください!? 部屋の前にいるってこと? 
 無理、何も準備していない。全然可愛くない部屋着だし、お化粧だってしていない。

「あの、今はちょっと……」
『和咲さんは、僕がマスターキーを使える立場だということを忘れてませんか?』

 やりかねない!!!!
 どう考えても越権行為だけど、冷静すぎる声が怖くて、開けられる前にこちらから扉を開けた。
 怯えながら見上げると、八木沢さんが無表情で立っていた。怖い。いつも笑顔の人が笑ってないの、怖すぎる。


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