結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

「急にすみません。どうしても話を聞きたくて」
「いえ、こちらこそ……すみません」

 私の不可解な態度のせいで、怒っているだろう。私があがるよう促しても、それより早く話がしたいのか、扉が閉まると同時に彼が口を開いた。

「単刀直入に聞きますが、避けてますよね? どうしてですか? ……と言っても心当たりしかないのですが」
「ごめんなさい……」
「嫌だったのに、拒否できなかったのでは?」
「そんなことないです! 私から望んで、一線を越えたんです!」
「じゃあ、後悔してる? 本当は痛くて嫌だった?」
「それも違います! 痛いとかないです。すごく、良かった……です」

 何を言わされているんだ。絶対、顔赤い。恥ずかしいから、まともに彼の顔を見ることができない。でも、永遠子の言ったとおり、ストレートに伝えないと誤解される。

「八木沢さんのことをもっと好きになって、ずっと八木沢さんのことばかり考えてしまうんです。仕事中も……一緒の夜を思い出して、急にドキドキしたり。これまで、どう接していたのかも、わからなくなって……」

 面倒な女だと思われても仕方がない。ブレーキをかけなくちゃいけないのに、それが壊れてしまったみたいで、どうしていいのか分からない。


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