結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~
そろそろ、真臣と武内さんの結婚披露宴が始まる時間だ。勿論、私は招待されていないし、乗り込んで復讐劇を繰り広げるつもりもない。
引っ越しからもう三か月経つのかと思う反面、まだ三か月しか経ってないのに、ずいぶん私は変わってしまったな、とも感じる。
私が結婚式を挙げるはずだった今日を、こんなに心穏やかに過ごせるとは思っていなかった。
八木沢さんが起きたら、何か飲み物を買いに行こう。そう思って顔を上げたら、少し離れた場所で同じようにレジャーシートを広げている男女が、持参したブランケットの下でイチャイチャとじゃれあっているのが見えた。大胆すぎる。
ちょっときまずいから場所を変えようかな、と思って画材を片付けていたら、手が触れて八木沢さんを起こしてしまった。
先週から秋の臨時国会が召集され、それに遡って内閣改造も行われている。組織のトップである大臣が交代したので、彼も何かと忙しいらしく、最近はずっと帰りが遅かった。
「ごめんなさい、せっかく気持ち良く寝てらしたのに。お疲れですよね。まだ寝ます?」
私がそう声をかけたら、八木沢さんがゆっくり起き上がった。ぽやんとして可愛い。目の前に腕が伸びてきた、と思ったら急に抱きつかれて、バランスを崩して押し倒された。だ、大胆すぎるだろ!