結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

 私が切り分けるよう言われたが、恐れ多くてできない。結局、八木沢さんが器用に丁寧にカットしてくれた。チョコの飾りも欲しいけど、ピスタチオがたくさんのってる所もいい。綾ちゃんの次に選ばせてもらったが、かなり悩んでしまった。幸せ。

「美味しいね~かずさちゃんニコニコだー!」
「来年は手作りもいいかもね。飾り付けも楽しいわよ」

 綾ちゃんと奥様はいつも優しい。並んで食べている仲の良さそうな様子を見て、とても素敵だなと思った。
 ケーキのあとは二十歳以上の全員が飲み始めたので、可愛いクリスマスパーティは大人の忘年会へと変貌していった。
 二十時を過ぎた頃、綾ちゃんは遊び疲れてソファで寝てしまい、酔った槙木さんもその隣で眠ってしまった。奥様は「その人、私じゃ抱えきれないから、いつも通り転がしといて。明日迎えに来るね」と、綾ちゃんだけを連れて先に帰った。

 空き部屋に布団を準備してリビングに戻ると、妻子が消えていることに気づいた槙木さんが、「ああ、また置いていかれたー!」と叫んでいたので、多分これも恒例行事なのだろう。仲良し仲良し。


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