結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

 絵付けの入門ということで、最初の工房では下絵付け(染付)を教わっていた。どんどん楽しくなって、同時に芸術品として高く評価される作品が、どれだけ優れた技術で描かれたものかがよく分かった。私は、線を綺麗に引くことさえできない。

 上絵付けもやってみるかと質問されたとき、私は図案を描くために持参していたスケッチブックを見せた。新宿御苑などでスケッチした花の絵を見た講師が、「こういうのが好きなら、ぴったりの先生がいる!」と連絡をとってくれた。
 有田や瀬戸で長年修行した方が、自宅近くに築窯(ちくよう)して、そこで一般向けにも陶芸教室を開いているらしい。教室は平日の昼間に開催されているので、そちらには通えないが「絵付けだけ、短時間でもいいなら教えられる」ということで、退勤後に通っている。少し距離はあるが、幸い新宿から乗り換えなしで行ける場所だ。

 作業をしていると時間を忘れる。次はどんな絵にしようかなと、図案を考えるのもとても楽しい。家に一人でいると、悩んでもどうしようもないことをぐるぐる考えてしまうから、仕事以外で集中できるこの時間はありがたかった。



< 168 / 264 >

この作品をシェア

pagetop