結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~
桂先生はイギリスで別の人と結婚した。
そして、取り残された八木沢さんは、何年も何年もずっと想い続けていた……?
今も?
「……会えて、嬉しかったですよね?」
「え?」
「再会して、笑っていたから……邪魔しちゃいけないと思いました……」
「ああ、単純に懐かしかっただけですよ。もう昔のことです。旧友に会ったような気持ちでした。それだけです」
「本当に?」
心配しなくていいですよ。
八木沢さんは、そう言って笑ってくれたけれど、それが本心なのか、私には分からなかった。
「私は、どうしたら……いいですか?」
「どう、とは?」
「私と八木沢さんは……」
年が明けたら、残り半分の骨董品も売却されてしまう。
私の役目はもうすぐ終わる。
そう考えて、つい俯いてしまった。顔をあげなくちゃと思ったけれど、八木沢さんの表情を見るのが怖い。
「和咲さんは、これまで通りでいてください」
これまで通り。
つまり、「結婚を前提としない」彼氏と彼女。
私が彼の「恋人」のままでいられるのは嬉しい。でも、将来の約束はない。
桂先生に言われた「つなぎの彼女かな?」という言葉は、棘のように刺さったままだった。