結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~
翌日、しばらく帰らないつもりで部屋の片付けをすませて、二階の馬木さんへ挨拶に行った。月末には引っ越すと告げると驚いて、「どうして、どうして?」と繰り返し、泣きそうな顔をしていたから、申し訳ないと思った。また遊びに来ます、とは言ったけれど、きっと難しいだろう。
まだ月曜日のお昼前。これから出発して、たどり着けるのはどのあたりだろう?
一日かけたら、九州の有田も行けるかもしれない。駅に行って思いつきで決めよう。そう思ってコートを羽織ったら、バッグの中にしまい込んでいたスマホが振動した。
八木沢さんからかもしれない。そんな期待をしなかったと言えば嘘になる。
電話を掛けてきたのは、槙木さんだった。