結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~
「ありがとうございます。少しずつやりますね。私がもらったお部屋はとても広いので、荷物の置き場には全然困らないです」
「良かった。足りないものはないですか?」
「東梧さん、私が一階に引っ越してきた夜と同じこと言ってます」
私が笑ったら東梧さんも思い出したようで、「ああ、布団」と呟いて笑っていた。
あの夜、私は空っぽだった。でも今は、大切なものがたくさんある。
急に抱きつきたい気持ちになったけど我慢して、触れそうな距離まで彼へ近づいた。ほんのり伝わる体温が気持ちいい。お布団も温かい。眠い……。
「ずっと私を守ってくださって、ありがとうございます」
安心したいから、もう少しくっついて寝よう。手を繋ぎたいなと思って、お布団の中で彼を探した。手に触れたと思ったら、東梧さんのほうから優しく指を絡めてくれたので嬉しくなる。
うとうとしてきたので、そろそろ『おやすみ』と言わなければ。
「ねえ、和咲さん、やっぱり夜更かししてもいいですか?」
「うん……私は大丈夫ですよ。なにか相談……?」
何だろう、急いで相談しないといけないことあったかな? 指輪のこと? と考えていたら、抱き寄せられて首にキスされたので目が覚めた。
「え? 待って、夜更かしって……やっ、キスしちゃ……っ、ん……」
目を開くと、薄闇の中で東梧さんはニコニコと楽しそうに笑っていた。
寝ないの……?
野獣なの?