結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

 結局、店員さんの上手な営業トークと、「これならお直しの必要がありません。ちょうどよいサイズもございますし、本日お持ち帰り頂けるよう、すぐにご準備いたします」との一言が決定打になり、予定外の買い物をすることになった。

「ありがとうございます、大切にしますね!」
「遠慮せず普段使いしてくださいね」

 ……私は無知だった。
 そのハーフエタニティのパヴェダイヤモンドリングが、私の予想より遙かに高価であることを知らなかったのだ。
 知っていたら、きっと、「欲しい」なんて気軽に言えなかった。ダイヤが小さいからお値打ち価格なのかな? と思っていた私の大馬鹿……

 結婚指輪とは別に、綺麗な箱に入れてもらった。何でもない日にプレゼントをもらうなんてとても贅沢なので、「東梧さんにアクセサリーを買ってもらっちゃった!」とはしゃいだ。

 浮かれた気分でお店を出たら、この世で一番会いたくない人に出会ってしまった。

 彼女は今日も美しい。
 相変わらず抜群のプロポーションで、プロのスタイリストがついているのかと思いたくなるくらいに、着こなしも洗練されている。


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