結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~
新婦控え室の扉を開いた東梧さんを見た瞬間、ときめきすぎて心臓がとまるかと思った。
礼装の東梧さんが格好良すぎる!
背が高いから、フロックコートがこの上なく似合っている。スタイルがいいから全然野暮ったくない。
何これ写真撮りたい……! と思ったが、今日は一流のカメラマンがいるから任せたんだった。来てもらって良かった。私はいいから、東梧さんを千枚くらい撮ってほしい。
私を認めた東梧さんは、「究極の破壊力……」と呟いて、言葉を失ったまま動かない。
初めて「おかえりなさい」と出迎えたときみたいだ。多分、しばらく動かないだろうなと思って、私から先に声をかけた。
「東梧さん、カッコイイです! やっぱり黒が似合いますね!」
「あなたもとても綺麗です。綺麗だ。他に言葉が思いつかない」
「ありがとうございます。東梧さんのおかげです」
感極まった表情のまま、ゆっくり歩いて私の前まで来て頬に触れようとした。キスして欲しい、と思っていたのに、彼は遠慮するように手を引っ込めた。
「ごめんなさい。厚化粧だから、東梧さんの手が汚れちゃいますね」
「いえ、綺麗すぎて、触れられない」
「本番ではちゃんとキスしてくださいね」
私が腕を伸ばして抱きついたら、東梧さんが優しく抱きしめてくれて、ようやくふわっと笑った。にこにこしながら二人で見つめ合っていたら、介添人が「……お邪魔にならないように、席を外しましょうね」と言ってくれて、スタッフ全員が一旦部屋の外に出て二人きりなった。