結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~
彼氏と彼女(確認)
人目があって、かつ話の内容が聞こえにくいお店にしようと思い、席ごとに仕切りがあるチェーン店のファミリーレストランを選んだ。
店内を動き回る可愛い猫の配膳ロボットを見て、八木沢さんと一緒に来たら楽しそうだな、などと考えてしまった。
八木沢さんと「彼氏と彼女」になっても、日常生活は特段なにも変わらなかった。ただ、タイミングが合えば一緒に食事をしている。無理のない範囲で。
今日は早く帰れそうだと聞いたので、私から夕食を一緒にと誘っていた。先刻、断りの連絡をしたが、まだ仕事中なのか返事は来ていない。申し訳ない気持ちになる。
飲み物だけをオーダーして待っていると、永遠子から連絡が来た。今いる場所を伝えると、「何かあったらすぐ応援に行く」と頼もしい答えが返ってきた。彼女も仕事中だろうから迷ったが、「お願い」とだけ返事をする。
真臣と付き合っていた頃、たまに外食して帰ろうと約束した日は、こうしていつも私が彼を待っていた。あの頃は、待つ時間さえ楽しかった。
「お待たせー! とりあえずここでなんか食べる? 移動する?」
「ここでいい」
やってきた真臣は、予想通り完全にデートのつもりのようで、その無邪気さに胃が痙攣しそうなほど気持ち悪くなる。